

- 2021年7月28日
高山アサマ攻め
高山蝶が一通り出揃う頃、僕の好きなアサマシジミの高山タイプが最盛期を迎えます。低地のナンテンハギやエビラフジ食いの個体群とは違い、高山植物のイワオウギやタイツリオウギなどを食べて、一般的には青の面積が広く色調が明るくなることが知られています。代表格は上高地に生息していたヤリガタケシジミですが、こちらはほぼ絶滅状態。その代わり、北信州の各地に特徴的な個体群がいくつも知られています。今年は3産地の撮影に成功しました。 その中でも、今年どうしても撮りたかったのがトガクシシジミです。その名の通り戸隠連峰に生息しており急峻な崖で発生しているため、大変撮影難易度が高いアサマです。学生時代下山時に滑落して骨折したいわく付きの山に、15年ぶりに挑みました。採集と違って崖での撮影は大変危険。今回は時期を外してしまったため新鮮個体はわずかしか見られませんでしたが、何とか高山アサマでも最高峰の青さを誇るトガクシシジミの撮影に成功しました。来年は最盛期にリベンジしたいです。 高標高地の河原で発生しているアサマシジミ 富山県立山町 EOS90D / EF100mmF2.8


- 2021年7月19日
高嶺の花:タテハの王様オオイチモンジ
当初タカネキマダラセセリを狙って上高地の奥に入る予定でしたが、前日の下山時に足を痛めてしまい、断念して軽くアプローチできるオオイチモンジにターゲットを変更しました。今年は裏年だからか、タカネキは少ないようです。 オオイチといえば、白帯が広くでかい♀が高嶺の花です。♂も綺麗な蝶ではありますが、♀を見てしまうと♂には出る幕はなくなってしまいます。この日も♂は鮮度が悪く♀は完品という状態で、まさに♀の撮りごろ。林道脇の日陰に腰かけて待っていると、綺麗な♀が1時間に1度くらい飛んできます。♀は飛んでるとすごく白く見えるんですよね。いやー、♀ではありますが男前なかっこいい蝶です。 日陰で休むオオイチモンジ♀ 長野県松本市 EOS90D / EF100-400mmF4.5-5.6LⅡISUSM×1.4 白樺に飛来した♀ 長野県松本市 EOS90D / EF100-400mmF4.5-5.6LⅡISUSM×1.4 2枚目と同一個体 長野県松本市 EOS90D / EF100-400mmF4.5-5.6LⅡISUSM×1.4 ヤナギで吸汁する♀ 長野県松本市 E


- 2021年7月18日
高嶺の蝶
ここ数年遠ざかっていた、北アルプスの稜線に行ってまいりました。やっぱりブランクがあるときっついです。コロナ禍で小屋に泊まることができなかったので、日帰りピストン。下りでいまだかつてないほどばててしまいました。それでも目的の高嶺の花、タカネヒカゲにはちゃんと出会うことができました。どの個体も新鮮だったので、梅雨の長雨で発生が遅れていたんでしょうね。今までで一番いいイメージ通りのシンプルな絵を何枚か撮ることができ、無理して登った甲斐がありました。 岩に止まる新鮮なタカネヒカゲ♂ 新潟県糸魚川市白馬雷鳥坂 EOS90D / EF100-400mmF4.5-5.6LⅡISUSM×1.4 6年越しのイメージ通りのシーン 新潟県糸魚川市白馬雷鳥坂 EOS90D / EF100-400mmF4.5-5.6LⅡISUSM×1.4 逆光だと縁毛が映えて美しい 新潟県糸魚川市白馬雷鳥坂 EOS90D / EF100-400mmF4.5-5.6LⅡISUSM×1.4 羽化直後の新鮮な♀ 新潟県糸魚川市白馬雷鳥坂 EOS90D / EF100㎜LMACROISUSM


- 2021年7月13日
高山蝶シーズン突入
キマルリも終わり、いよいよ高山蝶シーズン、一番忙しく体力勝負の時期がやってきました。今年は近年では珍しく梅雨らしい梅雨です。でもそんな悪天候続きでも、少し遅れましたがちゃんとミヤマモンキやミヤマシロの発生が始まりました。わずかな晴れ間と湧き上がる雷雲、なかなか1日満喫できる日はありませんが、まずまずのシーズンスタートを切ることができました。さて、体力がどこまでもつことやら… ガスがかかってササに舞い降りたミヤマモンキ♂ 長野県東御市 EOS90D / EF100mmF2.8LMACROISUSM ネバリノギランで吸蜜する♂ 長野県東御市 EOS90D / EF100-400mmF4.5-5.6LⅡISUSM ウスユキソウの訪花、逆光が美しい 長野県東御市 EOS90D / EF100mmF2.8LMACROISUSM 飛翔で翅の表をとらえてみた 長野県東御市 EOS90D / EF100-400mmF4.5-5.6LⅡISUSM 食樹クロマメノキの上で♂同士の追飛 長野県東御市 EOS90D / EF100-400mmF4.5-5.6LⅡISUS


- 2021年7月7日
梅雨空の合間に
木曽のキマルリに行く前に、発生の便りを聞いた他の蝶を撮りに行きました。キマルリが撮れるのは午後ですからね。白馬村ではハヤシミドリが最盛期。カシワを叩くと結構出てきますが、メスが多いです。この日はハヤシではなくウラジロミドリ狙いだったので、叩いて叩いて何とか出始めの綺麗な個体を撮ることができました。それにしてもウラジロミドリのサファイアブルーはハヤシミドリとは違った玄人好みの輝きですね。 白馬村から南下して、今度はキマダラモドキを撮りに行ってみました。機会に恵まれず、その姿を拝むのは学生の頃依頼です。ポイントと思しき雑木林の良さそうな木を選んでトラップ液を吹きかけてあとは待つだけ。待っている間、樹上を見上げるとキマモらしきジャノメチョウがいくつか飛び回っています。あんなに小さかったっけ? 1時間ほど待っていたら、来ました来ました。トラップの効果てきめん、渋いいい蝶です。2時間ほどの滞在でしたが、3頭ほどトラップに来てくれました。いいお土産になりました。 開翅するウラジロミドリシジミ♂ 長野県白馬村 EOS90D / EF100mmF2.8LMACR


- 2021年7月7日
今年の運を使い果たしたかも@木曽
そろそろ高山蝶の発生が近づいてきたなぁという頃、毎年恒例木曽のキマルリの季節です。学生時代に京都に住んでいた頃はチャリンコで採りに行ってましたが、木曽のキマルリは京都産と違って表が青い個体が多いのが魅力。全国的には黒いキマルリの方が珍しいと思いますが、僕としては青の広い綺麗な方が好みです。ということで青い個体を探すのですが、今年は天気が悪くて全然開翅してくれません。蒸し暑い日は日が差さなくても開翅しますが、気温が低い日にばかり当たってしまい素晴らしいブルーを拝めずじまい。 今日もダメかと小雨降る中木を叩いていると、白いものが落ちてきました。枯葉か?と思って見ると、何と交尾個体じゃないですか! おいおい、しかも片方トラ型やんけ! いつか交尾シーンを撮りたいと思っていましたが、まさかトラ型のおまけ付きとは・・・。前回ダイセンの開翅で有頂天になってましたが、幸運続きでちょっと怖くなってきました。今年は事故りませんように・・・(去年は全損事故で廃車・・・)。 夕方テリ張りで下りてきたキマダラルリツバメ♂ 長野県木曽地方 EOS90D / EF100mmF